大日本印刷とワオネットデジタルペンを使った教育分野向け授業支援ツールを共同開発
−デジタルペン授業が子どもの考え方を“見える化”−
大日本印刷株式会社(本社:東京社長:北島義俊資本金:1,144億円、以下:DNP)と株式会社ワオネット(本社:大阪社長:野々宮英二資本金:8千万円)は、記入と同時に文字や図形をデジタルデータ化して記録するアノト方式デジタルペンを使って、学習効果を高める授業支援ツールを共同開発しました。
今回、従来のデジタルペンの機能に加え、アノト方式デジタルペンでは国内で初めて、記入した文字や絵をそのままデジタルデータとして、リアルタイムでパソコンなどに送信する機能を追加しました。この機能とプロジェクターなどを併用することで、生徒はデータ化された自分や他人の記入内容をその場で確認したり、生徒同士のコミュニケーションを促進することができます。教師は、生徒がどのような考え方で記述しているかなどをその場で把握できるため、限られた授業時間の中で、より効果的に指導と評価を行うことができます。両社は、当ツールによる教育的効果の検証を重ねるべく、現在取り組んでいる学校や塾をはじめとした教育機関での実証実験を推進し、2008年4月より販売を開始します。
【背景とねらい】
DNPは、紙に書くと同時にデジタルデータ化されるデジタルペンの特長を生かし、これまでに企業の業務効率改善などを実現するサービスを数多く提供してきました。信販・クレジット会社の申込受付システム、電力会社の点検・メンテナンス用システムなど、すでに多くの導入実績があります。また、書くことの必然性が高い教育分野にも注目し、2003年に学習塾向けテスト採点システムを開発しています。
近年「個に応じた指導」が重要視されるなか、従来の授業では、クラスの一人ひとりが、どのように考え、どの程度理解し、どこにつまずいているかを個別に記録し、客観的に把握していくことが困難でした。今回DNPは、こうした課題に応えるために、e-ラーニングと教育分野専門のITソリューションビジネスを展開するワオネットと共同で、生徒一人ひとりの記述の過程を記録し、生徒全員の考えを短時間に把握することで指導と評価を一体化させ、学習効果を高める授業支援ツールを共同開発しました。また同時に、デジタルペンを使った授業の実証実験を行いました。
【授業支援ツールの特長】
■生徒が紙に書いた文字や絵をそのまま記録できる!
・生徒が書いた文字や図形を、そのままの筆跡でデジタルデータとして残すことができます。
・生徒全員の記録を保存し、生徒の考え方や意見などを簡便に分類することができます。
■リアルタイムに筆跡が取り込める!
・紙に書くと同時に生成したデジタルデータをリアルタイムでパソコンなどに送信できます。授業中にスクリーンに映写することで生徒の参加意識を高め、主体性を持たせる効果が期待できます。
・生徒が課題に取り組み、考え方や答えを記述する進捗状況をリアルタイムに把握できます。
■学習内容や筆順を再現!
・筆跡を一画ずつ再現できるため、漢字の書き順が確認できます。
・生徒の記述の過程を保存し、その順序を再現できるため、考える過程におけるつまずきやその原因の発見、学習指導の評価などにつなげることができます。
【授業支援ツールの構成など】
・標準構成
1)ペンセット(ペン本体7本、周辺機器ほか)
2)Bluetooth USBアダプタ
3)アプリケーションCD
4)インストール&ツール使用マニュアル
5)ペアリング設定カード
6)設定用紙2種(名簿、色指定、太さ指定用紙)
7)専用用紙スターターセット
・学校など利用者側で準備が必要なもの
1)パソコン(WindowsXP SP2対応)
2)プロジェクター
・奨励動作環境
OS:WindowsXP SP2(日本語版)
メモリ:1GB以上のRAM
対応I/F:USB1.1/2.0(Bluetooth USBアダプタ設置に使用)
【これまでの実証実験概要】
DNPとワオネットは共同で、山梨県北杜市の公立小学校をはじめ、中学校、大学を対象に10件を超えるデジタルペンを使った授業の実証実験を行いました。実証実験に参加した生徒や教師からは、「ノートに意見を書くのとは違って、デジタルペンとスクリーンを使えば、その場で他人の意見も見ることができ、(発表の時には)相手の話を声だけでなく、自分の目で見ながら確認できるので、他人の考えを良く理解できるようになった」、「生徒が理解できなかった部分やつまずきを発見し、その場で指導できるようになった」などのコメントが得られました。
(山梨県の公立小学校での実験内容例:1年生の国語、2年生の図工、3年生の理科、4年生の算数、5年生の国語、6年生の社会)
【今後の展開】
DNPとワオネットは、今後も教育現場においてデジタルペンを使った授業の実証実験を行います(2008年度に約10件の予定)。また、それら実証実験の結果を踏まえ、教育分野向けに事業を展開するSI企業、パッケージベンダ、出版社などの企業と研究開発及びビジネス展開を進め、小学校のほか学習塾や予備校、大学向けの授業支援ツールで2008年から2011年までに10億円の売上を見込んでいます。
※アノト方式デジタルペンについて
当システムで使用するデジタルペンは、スウェーデンのAnoto AB(本社:スウェーデン・ルンド市CEO: Anders Norling)が開発したもので、ペンに内蔵された小型カメラが、専用紙に印刷された微細なドットパターンを撮影し、用紙の種別やペンの軌跡を記録します。