「人材をめぐる競争」の長期的解決策を求めるグローバル企業
2008年3月13日ロンドン−世界各地の人事部門のリーダーの82%が、「人材をめぐる競争」は今後10年間のビジネスの主要課題であると考えていますが、そのほとんどがどちらかといえば短期的な解決方法を模索しているということが、多国籍プロフェッショナルサービス企業である「リソース・グローバル・プロフェッショナル」による最近の調査で明らかになりました。
ヨーロッパ、北米およびアジア太平洋地域8カ国にわたる人事部門のリーダーに対するアンケート調査に基づいたこの調査によると、人事部門のリーダーは今後の「人材をめぐる競争」への対策として優秀な人材を採用してそれを保持する、というどちらかといえば短期的を志向していることが分かりました。回答者の90%は外部からの採用を計画し、60%は海外での人材調達にも関心を持っています。また、59%は新規採用ではなく既存人員での生産性を高めることを計画し、そのうち62%は業務プロセスの改善等によって「人材をめぐる競争」の影響を低くとどめようと計画しています。
リソース・グローバル・プロフェッショナル(NASDAQティッカー:RECN)のグローバル戦略サービス担当ディレクターであるクリス・ハグラーは、次のようにコメントしています。「グローバル企業は質の高い人材の採用および保持が世界経済の変動以上に重要な問題であると考えています。これは、従業員の組織に対する忠誠心の低下、人口の老齢化、中国における「一人っ子政策」の影響、若い世代のこれまでと違うキャリアの追求、等の社会的要素が変化したためであると思われます。」
同氏はまた、以下のように話しています。「調査によれば、人事部門のリーダーたちが現在の問題に対応するための即効性のある解決策を実行していることがわかります。しかし、将来の自社の人材に必要とされるスキルに関して明確なビジョンを持っている企業は非常に少ないことも明らかになりました。さらに、人事部門のリーダーはどちらかというと狭い、ローカルな見地からのみ問題を考慮しています。世界規模の人材資源を考慮に入れた人材計画はメリットが大きいと思われますが、こうした視点での長期的対策は、まだ視野に入っていないようです。」
リソース・グローバル・プロフェッショナルによるグローバル人事調査のその他の主要結果
経営陣はさらに人事部門の価値を認識する必要があります
人材をめぐる競争は今後の企業経営の最重要課題のひとつであるとみなされていますが、人事部門は必ずしも経営に対する強い影響力を持っているとは言えない状況です。人事部門のリーダーの98%は自身が企業の経営陣の一員であると回答しましたが、そのうちの42%は他の経営陣のメンバーよりも実際の企業経営に対する影響力が弱い、と考えています。この問に関しては地域による回答のばらつきも大きいです。ヨーロッパの人事部門のリーダーの40%は自身が企業経営に対して他の経営陣のメンバーと同レベルの影響力を持っていると思う、と回答しましたが、北米で同様の回答をした人は25%にすぎませんでした。
人事リーダーにとっての最優先事項は、リーダーシップ開発
今回の調査では、リーダーシップの開発、人材の管理、人材の採用および保持、の3点が人事リーダーの優先事項となっていることがわかりました。これらよりもっとソフトな問題は優先順位リストの下位にとどまっています。ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)が優先事項であるとした回答は6%に過ぎぎません。また、多くの企業にとって世界経済の中で事業を展開していくことが必要になっていますが、異文化理解の推進等を人事課題の優先事項であるという回答は4%だけでした。
ハグラーは、「今後数年間に人事部門が注力していくべき問題は、明らかにたくさんあります。人事部門のリーダーたちは現在、各企業組織の経営レベルで業務に取り組んでいますが、更に高いレベルの経営目標に貢献する(「人材をめぐる競争」をはじめとするこうした人事に関する諸問題を企業経営の課題とするよう影響力を発揮する)必要があります。」と話しています。
人事プロセスのアウトソーシングは比較的低レベル
今回の調査で、企業はコスト削減とプロセスの簡素化にフォーカスしていますがその手段としてアウトソーシングよりも「シェアード・サービス・センター」の創設の方が好ましいと考えていることが分かりました。
多くの企業が以下の事柄において中央集中型のプロセスを設けています。
福利厚生−93%
給与−92%
業績管理−86%
人材開発・人事評価−80%
給与支払事務・研修−74%
採用−68%
その他従業員関連業務−61%
アウトソーシングはかなり低レベルです。
採用−40%
給与支払事務−49%
教育・研修−54%
福利厚生−43%
ハグラーは「人事プロセスのアウトソーシングは他の業務機能に比べて未成熟な分野です。市場の発展につれて、特にアジア太平洋地域の企業がシェアード・サービス・モデルからアウトソーシングの方向に向かうのか、それともコスト削減とプロセス簡素化の課題にその他の新しい方法で対処するのか、非常に興味深いです。」と話しています。
本調査について
データ収集は12カ国のグローバル企業の上級人事担当役員もしくはリーダーとの51回の極秘面談に基づいて行われました。これらの企業の約80%は、15億米ドルの年間収益があります。回答者は、一連の多項式選択および自由回答形式の質問に答えました。人事リーダーたちとの面接が行われた国々は以下のとおりです。
ヨーロッパ:デンマーク、フランス、オランダ、スウェーデン
北米:米国
アジア太平洋:オーストラリア、日本、インド
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